くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

カメラ日和的カメラ

シンプルなフォルムと独特な手巻き猫アクション、そして、
135フィルムで24×24のスクエアーフォーマットが受けて、
女の子に人気のあるTENAXとその後継機TAXONA。

TENAX/TAXONA

簡単カメラの割には良く撮れるので、探して居る方も多いと思うが、
今回はたまたま整備に2台入ったので、ひとしきり蘊蓄。

ヴェラ同様、このカメラにもコンパー付きと東ドイツ製のコンパーもどきがあるけれど、
あんまし差はないと思う。Tessarつきは実は戦後どさくさに紛れて
でっち上げられたパチモン、正規のTenaxⅠにはNovar付きしかないのでご注意。
因みに、TENAXⅡというのは、”大きなTENAX”とも言うべきレンズ交換式で、
5倍もお高い、非カメラ日和的カメラなので、念のため。
(でも、24×24で手巻き猫なのね・・・)

このカメラの最大の問題点は巻き上げ機構にある。
しかも、フィルムを入れずに空打ちしていただければ絶対に不具合が判らない。


Tenax/mecha

Taxonaの巻き上げ機構の内部はこうなっている。
つまり、猫の手を押し下げると、シャッター周りのリングが回り、
画像中央部の黒い扇形の部品を画像左側に引く。
するとその右端に留められたロッドがフィルム巻き上げ軸と同軸のギアを回す。
アーム・ロッドアクション辺りでかなり無理のある機構だ。
しかも、このカメラはそもそもパトローネ入りフィルム仕様では設計されておらず、
本来は詰め替えたフィルムケースからフィルムケースに巻き取る仕組みだった。
従って整備不良の機体は、何枚か撮った後に巻き上げがすごく重くなり、
最後には写真が撮れなくなってしまう。しかも、24×24フォーマットなので、
フィルムが終わったのか巻き上げがおかしくなったのかの判断が非常に難しい。

TENAX-film box

さすがに、最終型ではパトローネ対応を施してあり、
画像左のTAXONAの裏蓋には巻き取り軸の受けが付けられている。

この手のカメラとしては、このタイプが最もお勧めと言うことになる。
まあ、十分整備して有れば、綺麗に使えるカメラなんだけれどね。


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  1. 2007/08/30(木) 15:09:46|
  2. LS
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ゲド戦記!!!

最近はフリーペーパー流行で、R25なぞは結構隅々まで読んで楽しんでいるが、
先日書店のラックにこんな文庫本が刺さっているのを見つけた。

earthsea

7月に発売になったアニメ・ゲド戦記のDVD販促用に作られたらしいが、

制作;糸井重里、執筆者に中沢新一、河合隼雄が並ぶ・・・。
そして、装幀;佐藤可士和・・・・、豪華だね。
まだゲド戦記を読んでいないのだが、必ず読んでみたいと思うし、
息子にも読ませてみたいと思う。

”ゲド戦記論”では”モノの真の名前”のことがよく語られる。
それが、東洋的発想であるかどうかは、私には判らないが、
そのような論証を読むといつも思い出すセリフがある。
”この世で一番短い呪とは・・・・さっき言ってやったろう、名だよ・・。
 ・・・・モノの根本的な有り様を縛るというのは名だぞ・・・。”
夢枕獏描くところの”陰陽師”第一巻に出てくる会話だ。
この本の中で、河合隼雄さんが”京大の本当の名前”について言及しているけれど、
(しかも、1978年に行われた講演記録が掲載されている)
大学や企業と言った組織は、同じ名前を唱えても、
実体としての名前と、幻想化した名前とが遊離している現実を、
憂えておられたのだと思う。

宮崎吾郎版”ゲド戦記”は、原作の極端な解釈や、こもごも有って、
かなり悪評が立っているようだけれど、個人的には”ハウルよりはまし”と考えている。
特に、作品冒頭の父親殺しが唐突で、観客を突き放してしまったのだろうが、
原作を訳された清水さんも吾郎氏と対談した河合さんも、この部分を寧ろ評価している。
以前、TVのドキュメントで宮崎駿さんが”ゲド”の試写中に部屋を逃げ出して、
悪態を付いていたのとは対照的。実の父として、激しく痛かったのだろうが、
”息子に殺されるのなら本望”と言って欲しかった。
異形の人魚姫と言われる”ポニョ”に期待します。

宮崎吾郎さんとの対談が文化庁長官室で行われたとの記載が、
何となく河合先生のお人柄を伺わせる。著作にはいろいろ教えられました。
ご冥福を心からお祈りいたします。
  1. 2007/08/29(水) 01:32:10|
  2. Book
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A社のPならいいけれど、K社のPは悪魔の手先

暑い・・・・、暑くて不機嫌になると、
あーーー! 言ってしまいたい”王様の耳はロバの耳!!”

修理屋の天敵;K社のPの話。
”はっきり言えよ”・・・って?
さすがにお客さんのカメラなので、あからさまに名指しは控えます。

修理に出した人にとっては、大切なカメラなので、過剰にこき下ろすわけには行かない。
手を入れる価値のないカメラは、”捨てた方がいい”と対応するし・・・・。
そこで、”天敵”が生まれる。

外からわからない、内部で、
Pen Lenses 頭のないビスを平気で使ったり。

+screw
ビスが入っていないので、仕方ないから+ネジで補ったり。

trip35 shatter
幕をドラムから剥がしてみると、巻き太り調整のために、短冊の幕が貼ってあったり・・・。

しかし、これらの症状の問題は以下の画像に現れることに比べたら、大したことではない。
botm mecha
カメラの底部のメカを撮った画像だけれど、殆ど鍋ネジで留めてある。
と言うことは、それらのパーツは収まるべき位地が決まっていないため、
全て細かく調整しながら正常作動する位地を割り出さなければならない。
これを、当時はラインに並んだ女の子達がやっていたわけで、
流れ作業で良くできたモノだと感心してしまう。
数をこなしていない修理屋は、ちまちま確認しなければならず、
暑さの最中に答える作業なのだ。
しかも、戦後の女工哀史を強いた社長は、大もうけした金を持ってトンずらしたらしい。
ますます関わりたくないカメラだ・・・・。



  1. 2007/08/23(木) 01:24:57|
  2. FP-SLR
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忘れないでね

毎年恒例、秋の中古カメラ市が9月21日から23日まで、
有楽町交通会館12階で開催されます。
初日(21日)は朝から搬入するので14:00会場、
最終日(って3日目だよ)は撤収してビルを追い出されるので17;00閉場。
短期決戦やる気満々、皆様ふるってご参加ください。

私も終日会場でうろうろしております。

camerafair0709

テーマ:ガーデニング - ジャンル:趣味・実用

  1. 2007/08/20(月) 16:10:16|
  2. Event
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伝説のカメラ

嘗て銀座に新品購入のために大行列を引き起こしたカメラがある。
今で言うなら、ドラクエとプレステとIポッドを足して3倍したようなモノ。
で、その中身がこれ。

ricohflex6

”どんだけー??!!”っていうか、”こんだけー!!”
つまり、ブリキの箱にレンズ二つとシャッターを付けただけ。
普通、二眼レフ(TLR)はただの箱に見えても、その両側面には、
coad1
とか、
coad2
とか言ったメカが組み込まれていて、何より筐体そのものがダイカストで出来ている。
ところが、このカメラは全くのブリキの箱で、3速がビミョーに動くシャッターを付けて、
ケース付き7300円。くどいようだが、物価スライドすると現在で14万円程度のお品。
儲かったと思う・・・・・・。
ご尊顔はこんな感じ。

ricohflex6

作りのイージーさと写りについての悪い評判から、半ばうんざりして試験撮影したのだが、
思いの外シャープな結果を得て驚いた。やっぱり写るカメラだから売れたのね・・・。
しかーし、敢えてダメを出すが、個体特徴なのか製品特徴なのかこのカメラのレンズ、
中玉のカシメが甘くカタカタ言っていました。
留めないでそのまま写していたら、いつでもちゃんと写るカメラにはならなかったと思う。





  1. 2007/08/20(月) 00:00:26|
  2. TLR
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あつでなつくて、あたまぐるぐるぐる・・・・。

前回更新した日は、七十数年ぶりの最高気温記録更新日だったらしい・・・・。
翌日からはかなり楽になったのだが、まだまだ暑い。
ついつい更新も遅れてしまう・・・・・。

前回は、”めんどくせー”で終わってしまって、ねたの説明が落ちてしまった。
で、遅ればせながら御開陳。

varex2b

近代SLRの始祖とされるキネエギザクタに連なるヴァレックス。
始祖様は1935年のお生まれだけど、こいつは戦後鉄のカーテンの向こう側で、
作られ続けた。前回ぼやいたシャッターシステムはゲルマン的と言うより、
どう考えてもスラブ的で、ライカやコンタックスよりも、ペンタコンシックスのそれに
近いような気がする。
だいたい、全ての操作を左手で行う(しか行えない)カメラって何?!!
何故これほど操作性の悪い、っていうかSLRの否定材料として作られたような
カメラが生まれたのか、つくづく首を傾げる。
ただ、世の中よくしたもので、エギザクタマウントのレンズは、ボディーの
人気が無い分M42やその他に比較して安価に手に入る。
更に奥の手は、”ほぼ”同じマントを有する”トプコンRシリーズ”を利用するんだな。

topcon book

この本によれば、東京光学がFP-SLRを開発する際に、営業サイドから
エギザクタマウント採用を要請されたが、開発側は設計上の制約で嫌ったと有る。
当時の技術ならば少なくともエギザクタよりはましなカメラを作れる勝算は
あっただろうが、同時期に旭光学がM42マウントを採用して、後にSPで大成功した
ことを考えると、両者の現状と合わせて、社内の意志決定がその盛衰を形成する
典型例を見るような気がする。

  1. 2007/08/19(日) 22:40:20|
  2. FP-SLR
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映画・漫画・書籍等々、
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まあ気長にお付きあいください。
掲載内容に関わらず、
カメラ修理/整備全般に渡ることがらについて、
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