くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

古典カメラのレストア その4

 嗚呼・・・・毎日ブログを更新できるような余裕が欲しい・・・・って、
世の大半のブロガー達は余裕が無くても書いて居るんだろうな。
大体、余裕があって書かれているようなブログは、つまんないことが多いし・・・。

古典カメラ編、最終話になります。

 ihagee mecha6
組上がったメカ。以前取り上げたミロフレックスのようなぎっしり感はないが、
これはこれで金属光沢の美しいメカニズムだと思う。
後ろに立てかけてある箱状のモノは、これのカバーだが、
今回初めて”焼き付け塗装”に挑戦してみた。試作の最中には、煙吹いたり、
泡吹いたりで慌てたけれど、一応、”こんなモノか”程度の仕上がりを得る。
少なくとも、シンナーやベンジンを含ませたティッシュで拭いても
落ちない程度になる。色味や被膜強度の検討はこれからの研究課題だね。


ihagee mecha4
張り上がった幕はこんな具合。シャッター幕の先端には、通常金具
(幕棹と言う)が付いていて(コンタックスシリーズは、幕そのものが
金属なので別ね)、通常の修理は使い回す。しかし、ライカなどの
リボンを用いる幕で使われる幕棹はいいけれど、このカメラやペンタックス、
ペンタコン6など、幕がロの字やコの字になっているシャッターの幕棹は、
再利用が難しい。交換部品がない場合、どうするか妙案がないだろうか・・。

ihagee SLRb

で、めでたく完成。
この種のカメラはどのような人々が使われていたのかと
思いをはせるのが楽しい。
折り畳み機能のために高額になり、且つ、
使用できるレンズも制約されるため、当時の商業写真家は
もっと大がかりなボックスカメラを使用していて、
このようなカメラは使用しなかったのではないかと思う。
だとすると、写真好きの御大尽の愛玩物ではなかったのか・・・・。
因みにこのカメラ、目立たぬ所にテープでメモめもが貼り付けてあり、
それに曰く”昭38、ラッキー 16000-”。
想像がますます膨らむ。


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  1. 2007/11/26(月) 22:22:40|
  2. FP-SLR
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古典カメラのレストア その3

同時進行でレポートするつもりが、結局事後事後報告になってしまった。
本体は本日作業完了して納品済み。
で、とりあえずその途中までを説明。

機械部の作業中。

ihageeSLR5
このカメラのシャッターメカニズムは、ミラーのリンケージを除くと、
基本的にはこの画像の内容で出来上がっている。
つまり、前後の幕とその両端のドラム、一枚のプレートの上に載せられた
制御機構。見てのとおり、調速機構は今回もスローガバナー無し、
スリットの変化は重ねられた二枚のギアで行う。
それでもセルフキャッピングになってるから大したモノ。

ihageeSLR7 ihagee carten
幕は完全に劣化していて、ドラムに張り付いている。これまでこれの覇がしは
スクレッパーで行っていたが、今回剥離材を使ってみたらGood。
ただし、金属を腐食させる可能性があるのですすぎは十分に行う。ihagee mecha3
機械部の整備は、基本的に分解して清掃・注油するだけ。
結構いろいろな汚れが付着していて、組んだままで注油しても
スムーズに動かないことが多い。ただし、長年使われている内に
”あたり”が付いている場合もあるので、闇雲に洗ってしまうと
換えって動きを悪くすることもあるから難しい。
ライカ等の幕交換だとドラムとの取り付け位地はかなり厳密に
踏襲しないと絶対に正常作動しないが、この手のカメラの場合、
幕の軸とドラムの軸とが垂直で有れば、取り付け位地にはさほど
拘らない。調速ギアとの組み方で調整できるからだ。

で、今日はここまで。

  1. 2007/11/21(水) 00:21:10|
  2. FP-SLR
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古典カメラのレストア その2

いきなり経過説明。

ihageeSLR3
前回骨組みだけだったのが、ジャバラと前板・前蓋が付くとこうなる。
有る意味このカメラで最もやっかいな作業がこれで終わったことになる。
ビス留め部分は何度でも脱着が出来るが、接着剤で貼り付ける部分は、
一発勝負でやり直しが難しいし。わらに、ジャバラは破れやすく交換品もない。
因みに、古典カメラは木製部品も多く、このカメラの筐体も木の箱。
当然木ねじが使われているが、これの取り外しも金属ビスのそれと違い神経を使う。
湿気を吸った木がネジを腐らせ最悪の場合頭だけもげてしまう。
それでもひとまずここまで来た。
峠を越して一息・・・・。

これからは、機械部分の整備にかかるが、その前に”掃除”と言う作業が待っている。

ihageeSLR4  
アルミニウムに革を貼り付け時間が経つと大体このようにアルミがさびる。
そのまま放置すると更に進行するし、革が浮いて見苦しいので一回剥がして
取り除いてから張り直す。酸化鉄や緑青と違い、酸化アルミニウムは水にも
酸にもにも熔けないので、薬品は使えずひたすらこそぎ落とす。
これが結構大変。しかも、革に食い込んだアルミ錆の除去は結構コツが要る。
なかなか終わりが見えてこない・・・・・・
  1. 2007/11/14(水) 10:23:11|
  2. FP-SLR
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ハーフサイズカメラの考察 その3

まだまだイハゲーに手こずっています・・・・。
で、息抜きに軽ーい話題を一つ。

classmate party07
先日40/1.4が甘いレンズだと言ったら、
先輩がF・Zuiko38/1.8を貸してくれた。
ビミョーにクモリのある個体なので、全力性能では無いのかもしれないが、
とてもシャープな像を結んでいる。有り難うございました。
それにしても、f1.8とか、f1.7とかいう半端な開放値は、
当時ユーザー訴求力があったのだろうか?なんだかしみったれていて、
安普請に思える。その典型が、M42takuma55/1.8。
とても良く写るレンズなのに、二束三文に扱われているのは、
大量に出回っているからだけでなく、
スペックのイメージが悪いからだと思えてならない。
逆に、大口径レンズ(ハイスピードレンズ)は、
未だに不当に評価の高いレンズがある。楽屋内的には、
”甘い”程度ならまだしも”ボケ玉”扱いされているタマもちらほらあるのに・・・・。
(L社のSXとかね・・・・・好みもあるけど・・・・)
まあ、痘痕もえくぼと強がったり、ババ抜きするのも、
この種のカメラの楽しみなのかもしれない。

ところで、今回試験撮影したのは、高校の同窓会会場。
これまで、飲み会の写真は皆不満だらけだったのだが、
今回はうまくいった。つまり、全体の雰囲気を写し混もうとして、
無理に広角を使わず、割り切って50/2.0程度で表情を抜いてゆけば、
いい感じになるのね。逆にこうすればレンズの選択肢も豊富なので、
いろいろ試して楽しめる。忘年会・新年会のシーズン突入、皆さんもお試しあれ。
  1. 2007/11/13(火) 16:27:56|
  2. FP-SLR
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古典カメラのレストア その1

ihageeSLR1
今回はこれまでと趣向を変えて、古典カメラのレストアを、
同時進行でレポートしようと思う。
お題になるのは、ドレスデン・イハゲー社の折り畳み式フォーカルプレーン一眼レフ。
残念ながら手元の文献には何処にも載っていないので、故事来歴は割愛。
6×9のフィルムフォルダーが使えて135/3.5テッサーが付いているから、
この種のカメラとしてはよくあるタイプなのだが、折り畳み方式が結構楽しい。
古都ドレスデンの粋を伺わせる凝った方式なので、できあがりをご期待ください。
で、徹底的に分解するとこんな状態にまでなる。
勿論この状態では、シャッター機構も完全に取り外してある。
この種のカメラでは、機構部分の整備よりも、ジャバラその他外装清掃に手間がかかる。
この機体も基本的な形態は維持されているがあちこち傷んでいるので、
今回はしつこく手を入れてみた。・・・・・・・元に戻るのか心配・・・・。

ihageeSLR2
で、パーツにばらした後にこうやって組み立ててゆく。
これだけ観ると、よくあるジャバラカメラの骨組みのようだが、
これから先が全く違うのでお楽しみに。



  1. 2007/11/11(日) 21:40:25|
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ハーフサイズカメラの考察 その2

優れたカメラマンは、最高の瞬間に躊躇無くシャッターを切る。
いきなり何当たり前のことをって?
やってみれば判るけれど、その当たり前がなかなか実現できない。
待ちきれなかったり、待ちすぎて逃したり・・・・・。
それ以前に、シャッターを押すまでの様々な操作で、
様々なことが消費されてしまう。
カメラの進歩とは、瞬間を逃さないための技術の集積だったわけだ。
だから、デジタルカメラはカメラマンの理想のカメラなのだと思う。
(勿論いろいろ異論はあるだろうが・・・・・)
何故なら、フィルムを気にしないで写真を撮ることが出来るから・・・。

長々と能書きをたれたのは、ハーフサイズカメラを使って、
フィルムが2倍のコマ数撮れるようになった開放感を、
しみじみ感じているから・・・・・・。

penFT
息子が保育園の芋掘りに参加したのでPenFTを使って、写真を撮ってみた。
ファインダーが非常に暗いことを除けば、優れたカメラだと思う。

小型軽量だけどロータリーシャッターなのでリコイルは殆ど感じない。
程度の良いレチナと同程度の価値はあると思う。
ただし、今回使った、G・Zuiko40/1.4は、シャープな写真がお好きな向きには、
あまりお勧めできない。なんだか眠い・・・・・・。
不思議なことに、反射望遠で800/8なぞというレンズを含め、
望遠系は非常に充実しているのに、広角系が寂しい。
当時の技術の限界なのかもしれない。
そうなると、G・Zuiko20/3.5を試してみたくなる・・・・。
余談だが、OM/Penマウントアダプターというのがあって、OMレンズをPen・F
シリーズで使えるが、露出をバイアスしなければならないし、何より自動絞りが
使えない。あくまで次善の策と割り切って使うしかないと思う。

テーマ:実用・役に立つ話 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2007/11/04(日) 01:16:53|
  2. FP-SLR
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