くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

貧乏気質

3回続けた”貧乏”ネタも今回で終わり。
あまり続けると祟られそうだし・・・・・。

olympusG/card1

その昔、カメラを買うとメーカーからこんな立派な保証書が封書で郵送されてきた。
これは、オリンパス35の1957年5月の保証書。
3年保証だ。   3年、長いか短いか・・・・・・・・・・・。
当時渋谷区幡ヶ谷にあった本社から送られているが、
保証書にははがき大の挨拶状も同封されていた。
olympusG/card2

その中の文面がとても面白い。
曰く”オリンパスカメラは、その性能、機構に置いて絶対に他の追随を許さぬ、
 中堅機の代表的製品として必ずやあなた様のご期待に添うものと自負しております。”
絶対に他の追随を許さぬ”中堅機”って何だ?
こういったへっぴり腰が、この会社の当時の姿勢を表していて、
それを今でも引きずっているような気がする。

”一流品”とは、つまるところ”長く愛されるもの”であり、
その愛情に応える努力を怠らないことが、
”一流品”を作り出すのだと思う。
最初から”二流品”として割り切った製品製造しかしていないと、
いつまで経っても尊敬される製造業にはなれない。

会社の盛衰とその製品、それに付随する資料、
そして製品の中身をつぶさに観ると、
いろいろな戒めが学び取れるような気がする。



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  1. 2008/05/26(月) 22:12:56|
  2. LS-RF
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貧乏ズミクロン

昨日のカメラの画像では機種特定は出来ない。
何故なら同じプラットフォームで数種類のレンズを付けていたから。
この画像で、オリンパス35Ⅱシリーズのうちで何かが判る。
hZuikoW 1

Canon50/f1.2のことを仲間内で”貧乏ノクチ”と読んでいたが、
さしずめこのH-zuikoW35/2.0は、貧乏ズミクロンとでも呼べるレンズだと思う。
写り具合を比較するのは可哀想だけれど、レンズの枚数は本家より一枚多い、
”九枚玉”なのだ。

1957年6月発売のオリンパス・ワイドスーパーは、
定価37000円の高級品。
1956年1月に135カメラとしては最大口径の50/1.9を乗せた、
S1.9で大口径化競争を仕掛けたオリンパスが、
同じ手法をオリンパスワイドにも取り込んだ意欲作。
しかーし、僅か半年後には同じ名前で価格を28000円に抑えた、
後継機が発売されている。・・・どうなっとるんじゃ?・・・。

以前に紹介した、KonnicaⅢA、Topcon35S/Lとこのカメラは、
国産レンズシャッターカメラの中で個人的に最も好きな機種だ。
大口径の前玉は50/1.8と比較しても二回りも大きく迫力十分。
ファインダーは・・・・・・
wide-S/RF

先に挙げた二機種が大きなガラスプリズムを奢ったのに比して、
ミラーで取り回しているだけ。それでもパララックスは補正される。
まあ、ファインダーの見え方は写真に写らないし・・・・。

で、肝心のレンズ性能だが、
あくまで個人的な意見だが、それほどシャープな印象はない。
八枚玉がズマロンよりも鈍いと言っていた先輩も居たので、
D.Zuiko35/3.5に対するH.Zuikoの位置づけは同じようなモノなのかもしれない。



  1. 2008/05/26(月) 00:24:55|
  2. LS-RF
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貧乏は嫌い

先日師匠と話をしていて、ヘリコイド調整の話が出た。
”ちょっと渋いぐらいなら、ベンジン注してぐりぐりやれば、
  抜かないでも動くようになるでしょう。”
”お前なー・・・手を抜いちゃいけないよ・・・。”
”いえいえ、結果が同じならば工程数を減らすのは、
  仕事の効率化ってことじゃないですか。”
”バカ、結果が違うからみんな真面目に全ばらしてごしごしするの。”
”・・・・・・・・?”
”これが、完全に抜いて油変えたXX、
 こっちが、まあいいかって俺が抜かないで組んだXX。”
”この気温でも、全然違いますね。”
”よその店ならこんなもんでも、うちの店のお客はいいのを知っているから、
 これだと売れないんだ。そうすると、
 また泣きながら一番奥までばらさないといけない。
 それ考えたら、最初からやった方が遙かに楽なんだよ。”
”つまり状態のいい機体を知らないと、
 いつまでも知らないままってことすね。
   貧乏って悲しい・・・・・。”

というわけで、ヘリコイド全バラにして、
調子が絶好調になったカメラ。
wide-s1

作業中の画像を取り忘れたが、
この作業は、手順を間違えると、組んではピン観て、だめだと、
ばらしてやり直しと言う作業を、一晩中繰り返す地獄を観る。
一度味わうとトラウマになって避けたくなるのね。
ただ、ベンジン注して一時的にするするしても、
一晩明けると元に戻っていたりして、
結局また同じ所まで開けるのだったら、
トラウマを乗り越えるしかないね。

 つづく
  1. 2008/05/25(日) 00:22:05|
  2. LS-RF
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ライカのレストア いまさら2

バルナックライカのメカで最も魅力的に見えるのはこの装置だろう。
balnac slowgavanner

左側に移っている黒いカバーに包まれて、
レンズマウントのすぐ後ろ側に収まっているのがスローガバナーだ。
画像下側にフレームの影になって見えにくいが、雁木が入っていて、
中央部の大きなギアは二重構造でドグクラッチが入っている。
その右側のアームギアの振れ角で緩速時間を調整する。
この装置さえ清掃すれば、スローが粘っているジャンクカメラでも、
それっぽい完動品のカメラにすることが出来るが、
それをライカだと思って貰うと大間違い。

また、ここに注油したりベンジン注いで誤魔化そうなどとは、
絶対に考えない方がいい。一瞬直ったように見えても、
その後で必ず動かなくなってしまう。
我々プロでも安易に注油はしない。ではどうするのか・・・・。
balnac slowgavanner2

全バラにしてベンジンに付けてきれいに洗うしかないんだな。 
その後で組み直すと、見違えるように元気に動き出す。
ただし、ドググラッチには芥子粒ほどのロックブロックが3個入っていて、
一つでも無くすと正常作動しないので、素人は手を出さない方がいいと思う。
  1. 2008/05/19(月) 21:57:57|
  2. FP-RF
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ライカのレストア いまさら

昨日高校の同窓会があって、
日の高い内から中華街で呑んで、
更にベイ・クォーターで呑んで記憶を無くしてしまった。
当然今日は二日酔いでぼー・・・、
嫁さんにけつをたたかれて買い物の運転手にかり出された。
調子の悪い日に仕事すると、大概事故起こすからね。

ところで、30人近くも集まる同級生に私の仕事を説明するのは難しいので、
材料として自分で修理したカメラを持ち込み、それで会場風景を撮ることにした。
どれにしようか色々迷ったのだが、クラシカルで判りやすいカメラなのでこれにした。
leica3a nokton


昨年東急東横カメラショウで手に入れたジャンクを、
今回の会合に間に合わせるため急いでOHしたのさ。
leica3a mecha1

OHでも幕交換しない場合もあるし、幕交換してもフレームをばらさない場合もある、
この画像のようにフレームを分解してドラムを全て抜き取って幕交換することもある。
しばらくライカの幕交換をしていなかったので、今回は自主トレの意味も込めて全バラにしてみた。
leica3a mecha2

片側ゴム引きのシャッター幕のゴム面は、先幕がレンズ側、後幕がフィルム側になっているが、
機体によっては違う場合がある。
2枚目画像の右側に写っているのが2本のテンションドラム。
細い軸への接着強度をもたせるため、先幕はゴム面で留めてある。
昔の接着剤は質が悪かったからね。

 つづく

  1. 2008/05/18(日) 23:37:46|
  2. FP-RF
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いちっ! にっ!! さんっ!!! さんっ!

とうの昔に連休が終わってしまったのに、
だらだら連載続けているのも心苦しいが、
スキャナーがフリーズしてしまい復旧できない内に時間が経ってしまった。
eye2


1959年 9月 KonicaS発売
  61年 7月 KonicaSⅡ発売
  63年12月 KonicaSⅢ発売
1964年 7月 KonicaEye発売
  67年 3月 KonicaEye2発売 
1968年11月 KonicaC35発売

と言う風に年譜にしてみると、このカメラが、SとC35との間に咲いた、
徒花という位置づけが理解できる。   売れなかったのね。
何故か?
”大口径レンズをおごった、プログラムAEハーフサイズ目測カメラ”は、
一体誰が使うのか?
プログラムAEでハーフサイズなのだから、当然ユーザーの母集団は、
ファミリーのはず。しかし、大口径レンズを乗せたために高額になり、
しかも、近距離開放では目測でピントをずらしてしまう。
ちょっとお金を使ってレンズを楽しみたい向きには、
プログラムAEが邪魔で1/25単速絞りきり換えGN対応システムでは、
物足りない。
と言うわけでどっちつかずだったわけさ。

ネット上でのこのカメラのレポにあげられているように、
KonikaEYEの基本コンポーネントは、
そのままC35にキャリーオーバーされている。
ハーフサイズカメラのシャッターシステムが、
そのままフルサイズにも使えていると言うことは、
基本的にこのカメラはフルサイズのカメラだったわけだ。
しかもEyeの反省を活かして、レンズ口径を落とした上に距離計まで載せた。
大衆機の完成形”C35”の登場だ。

いろいろと問題点は指摘したけれど、
数あるハーフサイズカメラの中では非常に秀逸な機種(特にデザインが)だと思う。
それほど法外な値段にもならないので、
きちんと動く機体を見つけたら、手に入れて可愛がってやると、
思いもかけずすごい写真が撮れて喜ばせてくれるようなカメラだ。
  1. 2008/05/14(水) 22:42:05|
  2. LS
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