くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

フィルム現像という事業 最後

はっきり意思表示をした、
ブログをアップしてひと月近く。

今月の応札は先月より、
ずいぶん少なかったけれど、
それがこの発言の影響なのか、
季節の影響なのかは、
それまでのデータが全くないのでわかりません。
連載記事の初めに書いたように、
現像本数があまりにも減ってしまうと、
機械を維持することができず、
現像機は止めざるを得ないでしょう。
まあそれも、
社会的な役目を終えたからだと、
考えればいいことです。

フィルムを使う方々に、
考えていただきたいのは、
このまま現像機の淘汰が進み、
本当に一握りの会社だけになってしまったとき、
たぶん復讐のように高額な現像料金を、
請求されるようになるということです。

それよりもなによりも、
近所の写真屋さんがなくなってしまうと、
ただでさえ脆弱な、
日本の写真文化がさらに衰えてしまうと危惧します。
以前から”アナログ・ホビー”という言葉を使っていますが、
フィルムを使った機械式カメラのように、
感触を味わう趣味を楽しむためには、
仲間の存在が不可欠です。

”クラウドで吸い上げて、
  速く安く写真を届ける”といった、
大”ふじ”の作ったシステムは非常に優れていますが、
”次の写真を撮ろう”と言う意欲は、
誰がお客さんに渡すのでしょうか?
店に立つ者の役目はそこにこそあると、
私は思います。

だから私は、
安価なフィルム現像のネット取引を、
危険な行為だと思います。
それと同時に写真屋さんが無くなってしまった地域で、
フィルムを楽しみたい方々には、
出来うる限り答えたいとも思います。

結局煮え切らない結論だけれど、
これが現状を踏まえた、
私の姿勢です。

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  1. 2013/06/29(土) 23:53:06|
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フィルム現像という事業 その6

長々と続けてきたけれど、
根本的な問題は、
フィルムで写真を撮ると言うことの意味合いが、
嘗てとは全く変わってしまっているのに、
利用する側も提供する側も、
意識変革を成しきれず、
特に自覚のない店舗が、
現状の説明を怠り、
これまでの処方箋を垂れ流していることだと思う。

現在行われている
デジタルカメラのプリントを、
嘗ての”同時プリント0円”時代のサービス版とすれば、
今135フィルムで撮影する事は、
あの当時4×5の大判撮影を行うのに近い。

当然の事ながら、
十年前と比較して市場規模は大幅に縮小し、
元に戻ることは決してあり得ない。
にもかかわらず、
店頭で行われていることは、
相も変わらぬ価格競争。
市価の半額以下で大判フィルムの現像を行うお店が、
あっただろうか?

銀塩文化を担う店が成すべき事は、
フィルムで撮影することの楽しさをお客さんに説明し、
昔と全く違ってしまった料金体系を納得していただき、
有志を募り趣味を共有できる店として成長することだと思う。


 以下次号
  1. 2013/06/08(土) 10:42:27|
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フィルム現像という事業 その5

この連載の最初に、
国内の写真屋が年率10%で減っているという、
事実を紹介しましたが、
下駄屋やプラモデル屋のように、
市場そのものが大きく消滅した業界と比較して、
”写真市場”そのものはこれまで通り、
或いはそれ以上に存在するのに、
何故小売店が激減しているのでしょうか?

率直に言って、
原因は写真店の努力不足にあると、
私は考えます。
有り体に言えば、
写真店は嘗て、
何もしなくても儲かったのです。

内部に入って知ったことですが、
現像・プリントに関する資材費比率は、
他の一般小売り業に比較して驚くほど低く、
事業者向け(建設記録写真・印刷媒体)業務を、
多少の割引価格で正価販売できるのならば、
一般向けは値引き合戦に興じることが出来ました。
”同時プリント0円”はその典型であり、
過去には”集合写真の人数分だけプリント焼き増し無料”、
と言うあきれたサービスまで存在しました。
それほど、
フィルム現像事業とは利幅が大きく、
正価で販売し続ける限り、
利益を産み続けていたのです。

しかしデジタル時代の到来と共に、
打ち出の小槌を失い、
加えて価格競争以外の対処策を知らない店主は、
なす統べなく廃業してゆきました。


  以下次号

  1. 2013/06/08(土) 10:17:39|
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フィルム現像という事業 その4

デジタル化の波を受けて、
フィルム現像・プリント作業の中にも、
これまでにはなかった問題が生じてきました。

フィルムのデータ化です。

レンズ交換式デジタルカメラをお使いになった方は、
よくご存知でしょうけれど、
画像素子に混入するチリ・ゴミは、
誰にとっても非常にやっかいな存在です。
場合によっては折角撮った写真が、
全く台無しになってしまう。
フィルム画像のCD書き込みには、
絶えずその問題がつきまといます。

勿論、
フィルム面への異物付着は、
紙焼きプリントの時代からずっと存在し、
私も何度か近所の写真屋さんに、
クレームを付けて焼き直して貰ったことがあります。
しかし、
数枚のプリント焼き直しと比較して、
CDに書き込まれた画像の修正、
或いは再書き込みは、
遙かに大きな手間を必要とします。
当時のように、
簡単にお引き受けできるような内容ではありません。

写真屋の立場からすると、
CDに書き込まれたデータとは、
あくまでもモニターで観ることの出来る、
インデックスに過ぎず、
本格的に画像や紙焼き作品として利用するためには、
改めてそのコマだけを処理する必要があるでしょう。
少なくとも、
ヤフオフ上に上がる価格で、
全てのコマの品質を維持することは出来ません。

このような事情を無視した価格競争と、
実体を正しく説明しようとしなかった店舗側の怠慢が、
ユーザー側にサービスに対する過度の期待を抱かせているのが、
現状だと私は考えます。

  以下次号

  1. 2013/06/08(土) 09:38:23|
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フィルム現像という事業 その3

”プロラボ”と言うお店をご存知でしょうか?
よほどのマニア以外は、
殆ど利用されることのない、
本当に高度な技術と信頼を提供する、
フィルム現像とプリントのお店です。
基本的にアマチュアは対象とせず、
商業目的の方々へのサービスを行っています。
必然的に料金は非常に高額です。
街の写真屋は、
そのようなプロラボとは、
違った意味合いを持っています。

今回色々調べていて驚いたことは、
過去の国の判例では、
現像に関わる事故の免責事項は、
一般の方が考えている以上に、
幅広いと言うことです。
ポジフィルムをネガ現像してしまったり、
フィルムそのものを無くしてしまったりしても、
基本的に新品フィルムの返却程度で、
弁済されることが許容されています。

勿論、
プロラボならずとも、
それほど乱暴なことを再三繰り返していれば、
店としてのお客さんからの信用は得られません。
しかし、
それと同時にフィルム現像事業とは、
様々な事故の起こりうる作業であることを、
一般の方々に理解していただく努力も、
必要だと思うのです。


  以下次号
  1. 2013/06/08(土) 06:48:37|
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フィルム現像という事業 その2

大雑把に言って、
135/24換算で月間100本の処理量を、
維持するために、
当店が執った方法が、
ヤフーオークションへの出品です。
同時に、
地域的に現像環境に恵まれない、
愛好者に答えるという意味合いも、
意識していました。

しかし、
ダンピングすることで、
正規料金で受け付けている同業者の、
営業を圧迫する事実も自覚していました。

クラッシクカメラという歴史的文化遺産を、
出来るだけ多くの人に楽しんでいただくための、
動体保存を計るには、
フィルム現像というインフラは不可欠です。
その事業を維持し続けるためには、
現像本数を獲得し続けなければならない。
フィルム現像機を持つお店は、
現在生き残りをかけて、
受注の奪い合いをしています。

その結果咲いた徒花が、
ヤフオフ上に出品される、
異常な低価格の現像サービスです。


 以下次号
  1. 2013/06/08(土) 06:35:29|
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