くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

鉄則 さいご

電子制御抜きに操作上の事故回避が、
完全にはできないのと同様、
店頭対応抜きに機械式カメラの操作説明を、
十分に行うことはできません。

カメラの性格が多岐にわたるうえ、
個体差の大きいクラッシックカメラは、
ある程度機械式カメラを知っている方でないと、
状態を判断するのは難しいと思います。

動きの滑らかさが、
ある機種では許されても、
ライカなどでは許容されないことが多々あります。
ちょっとした〝鳴き”や”ざらつき”でも、
認められないカメラはその他にもあり、
不慣れな私はその潰しに一晩二晩かけたこともありました。

そういった、
カメラの動きの凄さや割り切りは、
いきなり送られてきたカメラを触っただけでは、
なかなか伝わらないと思います。

これから機械式カメラを使ってみようと思う方は、
信用できるお店と付き合い、
同好の士と親しんで、
お気に入りのカメラの程度を、
冷静に判断できるようになることを、
お勧めします。

ちょっと敷居は高いけれど、
本当に自分の力でモノを動かす楽しみは、
ピコピコボタンとは違って、
格別です。

 おしまい

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  1. 2014/09/20(土) 18:21:46|
  2. 修理解説
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鉄則 その9

”巻き上げレバーは指を添えて戻しましょう”ってなことを、
鉄則として訴えようとしただけなのに、
ついつい長々と連載が続いてしまいましたが、
AF以降のカメラしか知らない方々には、
クラッシックカメラの扱い方を、
少しは表現できたと思います。

電子制御を使わなければ、
これまで解説したように、
事故回避には明らかに限界があります。
従って、それ以前のカメラを扱うには、
”正常・異常”を感知する、
感覚或は慣れが必要です。

実は、この企画は、
コメントにも指摘された通り、
ペンタコン6の扱い方を注意喚起する目的で始めました。
日本カメラの記事でも紹介していただいたように、
私はペンタコンシックス・プラクチシックスの修理担当として、
多くの個体を扱ってきましたが、
このカメラはある意味現行デジカメとは対極にある、
非常に使い手のスキルへの依存度の高い製品でした。

材質・加工精度・設計、
どれをとっても当時の西側諸国の水準には達していないため、
扱い方を誤ると比較的簡単に作動不良をおこし、
更にその後の処置を誤ると、
完全なOHを必要とする状態に陥ります。

しかし、
そのようなカメラでも、
配慮が足りないと、
電圧低下でデジカメがスタックするような中国大陸の寒冷地で、
しっかり写真を撮ることができたという実績も、
またもっているのです。


 以下次号







  1. 2014/09/15(月) 12:15:16|
  2. 修理解説
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鉄則 その8

逆算式フィルムカウンターの載った、
RetinaのCシリーズは、
指標が1になると撮影後の巻き上げがロックされます。
フィルム装填時に、
撮影枚数とカウンターとをセットするので、
こうしておけば何枚撮りを使っても、
前回挙げた事故を避けることができます。

RetinaCounter.jpg

フィルムメーカーらしい撮影済みフィルムを大切にする、
優れた発送でしたが、
その後、順算式カウンターが主流になり、
この方法は定着しませんでした。

結局、
パトローネに認識コードがプリントされ、
その読み取り電極とワインダーが内蔵されるまで、
フィルム終了時の事故を完全に回避する方法は、
確立しなかったのです。

FILE00005.jpg


  以下次号
  1. 2014/09/13(土) 16:29:32|
  2. 修理解説
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鉄則 その7

例えば、
巻き上げの途中でフィルムが終わったとします。
デジカメではそんなことは起こりませんし、
オートワインダー内臓のカメラだと、
止まった途端に巻き戻しまで勝手にやってくれます。

ところが、
手動でフィルム送りするクラッシックカメラだと、
終わりに気づかずに巻き上げきってしまうと、
パーフォレーションを痛めます。
そこで誤ってシャッターレリースしてしまうと、
最後のカットは二十露光になります。
更に、パーフォレーションを痛めたフィルムを、
不用意に巻き戻すと、
破れたフィルムが返しになってパトローネに入らなくなり、
更に無理をするとフィルムが完全に千切れてしまいます。
もうこうなると、
ダークパックを使わなければ
撮り終わったフィルムを安全に取り出すことができず、
それがない場合は、
千切れたフィルムを完全にあきらめなければ、
その後の撮影を続けることができません。

ほんの些細な操作ミスが、
結構重大な判断を要する事態にまで、
発展してゆくのです。
これは決して珍しいことではありません。

 以下次号
  1. 2014/09/12(金) 13:05:36|
  2. 修理解説
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鉄則 その6

現在、
”AFレンズは脆弱なもの”だと了解されているから、
使用者はそのつもりで機材を扱いますが、
もし、嘗てのマニュアルレンズの時代に、
現行レンズが送り込まれたとしたら、
たちまち故障・返品の山が出来、
メーカーの信用は完全に失墜するでしょう。

では、
その逆を考えてみましょう。
クラッシックカメラを現行デジカメの感覚で扱うとどうなるか?

改めて言うまでもなく、
現行製品に比べてクラッシックカメラは遥かに耐久性が高いため、
普通に扱っても全く問題ないように思われますが、
そこに大きな落とし穴があります。

現行のデジタルカメラは全て、
電子制御されたモーターで動いています。
つまり、ボタンを押すと勝手に動いてくれるので、
実際に自分の力でモノを動かす感触が、
全く得られません。
それ故、
家電品のようなカメラに慣れきってしまった人は、
昔の機械を操作する際の、
異常・正常に対する感受性が、
非常に低くなっています。

 以下次号

  1. 2014/09/09(火) 20:31:11|
  2. 修理解説
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鉄則 その5

実は、
壊れやすさという意味では、
現行のAFズームレンズのほうが、
嘗ての機材に比べて、
はるかに慎重を要する代物です。

かなりの人が経験されていますが、
鏡胴を何かにあてると、
かんたんに不動になったり異音を発したりします。
(まあ、明らかに変形してぶつけた跡があっても、
  全く自覚のないお客さんもいますが・・・)

AFレンズはその機能特性から、
内部構造は極限まで軽量化を要求され、
それ故各部材の剛性・耐久性は、
極限まで奪われています。
軽くしないと素早く動いてピントを合わせられないから、
仕方がないですね。

中を開けてみると、
あきれるほどの構造なのだけれど、
そのようなレンズに結構な金額を払っても、
どれほど簡単に壊れてしまっても、
欠陥扱いされることはありません。
それは、
機能と価格について、
社会的な了解が取れているからです。

minoltaAF.jpg


 以下次号

  1. 2014/09/09(火) 20:27:09|
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