くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

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劔岳 点の記

”50年映画を撮り続けた70才のキャメラマン
木村大作による初監督作品”という、
タイトルにつられて今年初めて映画館に行った。

tennnoki
エンドロールを見終えて原作が新田次郎だったと知り、
更にパンフを買い求めて木村氏が”八甲田山”の撮影監督だったと知り、
筋書きや何よりも様々なリアリティーに納得する。

いろいろなことを考えさせられる映画だけれど、
先ず、100年前の日本人は”歩みの速度”で事を成していたことを実感する。
最速の利器は”陸蒸気”であり、コッヘルもバーナーもない。
薪を集めなければ煮炊きは出来ずその時間を見越して”天幕”の設営があり、
一日の行程が決まる。
今の人間はヘリコプターで山頂へあがり、
あげくに高山病にもがいているように思える。

描かれる人々は山の中で様々な思索をする。
山に入ることの最も大きな意義は、
1人になれ自分と向き合うことが出来ることだと思う。
もちろん、公園のベンチでも社内のトイレの個室でも1人にはなれる。
しかし、山で1人になることとの決定的な違いは、
どこかで”命のやり取り”を意識することだと思う。
”静かなり・・・・、限りなく静かなり・・・・。”
山で1人になると、”氷壁”のあの最終章の言葉が、
心に浮かんでくる。

冷静な気象学者であった新田次郎は、
”八甲田山”同様明治期の帝国陸軍に、
昭和軍部に対する怨念をぶつける。
”測量隊”を派遣しておきながら、
”初登頂”競争にとらわれる余り、
四等三角点設置の成果を黙殺しようとする軍部は、
リアリストたらねばならぬ軍隊ではなく、やくざに等しい。
昭和の敗戦の萌芽は既にそこにあった。



みんなもっと正しく生きろ。

劔の風雪の彼方に監督のそんな叫びが、
聞こえたような気がした。
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  1. 2009/07/02(木) 02:03:08|
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