くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

カメラの資質 その4

レチナでこんなに引っ張られるとは思っていなかったけど、
ここまで来たらだめ押し。レチナⅡ・Ⅲ型以降の欠点を解説する。

そもそもイーストマン・コダック社がパトローネ入りフィルムを売るために開発した、
小型でシンプルなスプリングカメラだったレチナは、基本骨格をそのままに、
セルフコッキングに発展した段階で、致命的なアキレス腱を抱え込むことになる。
つまり、巻き上げ軸はフィルムの巻き取りスプールと同軸で、
フィルム平面と平行なのだが、シャッターチャージの回転軸は、
フィルム面に垂直でしかも巻き上げスプールやスプロケットドラムとは離れた位置にあり、
且つ、前蓋開閉のためには伸縮しなければならない。
(言葉にするとすごくめんどくさい・・・・・。)
普通離れたところに力を伝えるにはギアを何個かつなぐのだが、
どうせ縦のモノを横にしなければならないので、
ドイツコダックの設計はアングルの2面をギアにして強引につないでしまった。
前回上部構造の右端のギアに絡んでいる鋸状のモノがそれ。
これが、始終壊れて、修理屋の手元には以下の画像のようになる。


junk giar
屍累々・・・・・・。
これを欠陥設計というのは簡単だが、そうではない。
これは巻き上げとシャッターとの間のパワートレインの間の、
ストレスを表現しているわけで、そう言う状態でシャッターはは正常に作動はせず、
整備を要求していると言える。
従って、このような症状のカメラは、
ただこの部品を交換してもまた同じことが起こる。
逆に、シャッターを含め、そこに至るパワートレインを全て清掃・調整すると、
見違えるように快調に動き出す。

レチナはこのように真にカメラとしての資質に恵まれたカメラなので、
”カメラの資質”と言うタイトルの筆頭に挙げた。
今後もこのように少しずれた視線で、カメラの力量を解説してゆきたい。


因みに、レチナをいじっていて、
個人的に最も楽しいのは蓋の開閉のクリック感だったりする。

お持ちの方は、お楽しみあれ。
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  1. 2007/07/08(日) 00:45:41|
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  1. 2007/07/28(土) 19:34:04 |
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