くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

悼む人


何とも腑に落ちない感想を持った、
嫁さんからの回し読み。
私の読後感も同じ。

多くの経験から、
30過ぎて人が亡くなった場所に立ち、
その人を”悼む”旅に出た青年と、
それを取り巻く人たちの物語。
天童荒太の8年ぶりの新刊。

”悼む人”には、
私自身にも似通った経験があり、
学生時代に北海道を自転車で回った経験と合わせても、
共感できるところは多く、
また、
それを取り巻く人々のありようも、
とても丁寧に描かれていて、
それぞれは納得できるのだけれど、
読み終わった後に、
しこりのように宙吊り感が残る。
それが、なんであるのかをずっと考えていた。

要するに、
”悼む人が何をしているのか”が、
納得ゆかないのだ。
心情の部分はかなりのところまで理解できる、
しかし、現実に実行できるのか?
日本国内では年間自殺者だけでも3万人を超える。
事故・事件を合わせると莫大な数の死亡者が存在し、
それらを分け隔てなく”悼ん”でまわり、
且つ、現場を何度も再訪するなど、
絶対に不可能な行為だと思う。

水戸黄門が全国行脚していなかったの同様、
”悼む人”の言葉通りのことを実行しようとしたなら、
関東圏どころか23区を出ることもできない。
マスコミ報道に載った案件だけを対象にするのなら、
”分け隔てなく”という前提に抵触し、
結局は”死亡現場マニア”に堕してしまう。
読んだ人の受ける読後の不快感は、
物語の根本が抱える矛盾から生じていると、
私は思う。

 以下次号


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  1. 2014/06/06(金) 11:00:41|
  2. Book
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

本の中で主人公が「私一人で亡くなった方全員を回ることは出来ないけど、私が見聞きできたものは出来るだけ全て回りたい」と言っていますよね。そもそも天童荒太の小説を現実的に解釈しようとするのが無理だと思う。
  1. 2014/06/06(金) 13:41:59 |
  2. URL |
  3. 山猫2号 #BaRPan0g
  4. [ 編集]

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