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修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

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シン・ゴジラ

庵野秀明入魂の一作にして最高傑作、且つ、正調・ゴジラ。

金曜日にハリウッド版二作目GOODZERAをやっていたけれど、庵野の解釈の方が正しいと思う。1954年の初代ゴジラが水爆実験を引き金として企画成立したとしたなら、シン・ゴジラは紛れもなく3・11を反映して話が成り立っている。まあ、どのシーンとってもF1をほうふつとさせる光景や筋立てばかり。政府の混乱ぶりはまるで当時の再現ドラマのようだ。

”この国はまだ捨てたものではない”と作中で言わせることに、この作品の本懐があり、強烈な愛国映画なのだけれど(いい意味でね)、隣に座って観ていた息子が、上映中にささやいた痛烈な一言が、本作の予定調和を簡単に吹っ飛ばしてしまう。

”なんでゴジラはやってきたの?”

ゴジラが放射性物質を求める生物だったとしたら、首都圏近辺での上陸地点は、東京湾内ではなく東海村か浜岡の原発でしょう。そうされたとしたら、何の阻止線も設けられず、いきなり上陸粉砕され、目も当てられない惨状からのドラマになってしまう。さすがの庵野も、そこまでのお話は組めなかったのだろうけれど、原子力発電所の危険性は、むしろ映画の世界よりもより現実的な問題として考えるべきだと思う。都知事選を巡るドタバタを見ていても、行政府の人材欠如は深刻なわけで、次の世代にもう少しましな社会を作るためにも、もっと真剣に危機感を感じるべきだろう。

序章の政府中枢の混乱の情けなさを見ながら、私は泣けて仕方なかった。そうしている間にも、被害が拡大し大切な命が失われてゆく・・・と。そして、それと全く同じ感覚を最近味わったことを思い出した。”半島を出よ”、2005年に書き下ろされた村上龍の長編小説は、その後の3・11の狂騒を予見し、言い当てるような細部を紹介し、読み進むのが辛くなるほどだった。

物語の価値は、ドキュメンタリーとは違った視点で、場合によってはその事象に対するより深い考察を喚起することなのだと、最近思うようになった。この国を好きでいられるためにはどうしたらいいのか、この映画を見て、そんな考えに浸る人が一人でも増えれば、製作された人々の苦労も報われると思う。
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  1. 2016/07/31(日) 23:15:30|
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