くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

スマホを置いて店に行こう。

鏡筒部分に蛇腹を使ってある、いわゆるスプリングカメラは、たためば非常にコンパクトになり、また、金属鏡筒と比較して黒布の内貼りは内面反射も少なく、カメラの構造としては非常に有利なのだけれど、この蛇腹部分の開閉は、ふいごと同じ役割を果たし、前蓋を開けた時にはフィルムに負圧がかかる。135フィルム程度の大きさならばそれほど問題にならないけれど、6×9カメラでは、開閉時の容積変化は馬鹿にならず、フィルムが引っ張られて平面性が奪われ、片ボケ写真が出来上がってしまう。だから、その手のカメラで撮影するときは、絶対に撮影に直前に巻き上げ操作を行わなければならない。もし、やむを得ない事情で、巻き上げてからふたの開閉をしてしまった場合は、レリース前に少しだけ巻き上げ操作をして、フィルムを張ってやればよい。



というような事は、スプリングカメラの現役時代は常識だった、と、つい先日師匠に教わった。フィルムのカメラでそこそこ写真を撮れる自信はあるのだけれど、さすがに、6×9カメラの実用経験はそれほどないので、”常識”が身についていませんでした。


これに類する”常識”はほかにもいくつもあって、ここで多くを取り上げるのは控えるけれど、思いのほか、一般ユーザーはもちろん、カメラを売っている人たちにも、定着していないことには驚かされる。(上記の件については、みっともないけど私もその一人・・・。)以前、修理上がりカメラのピントがおかしいのではないかと問い合わせがあったときも、問題となる写真を見せられてあきれた覚えがある。カメラと被写体とを完全に固定してなければ、ピントの確認は絶対にできません。三脚に載せて静物を取らなければ、ピントが合っているかどうかは決して分からないのです。三脚使っても、ぶれるときはあるしね。手ぶれ補正カメラに慣れた人が、フィルムカメラを使うと、ぶれぶれでまったく写真になってなかったりとかね・・・・。


ことほど左様に、フィルムカメラを使うにあたって踏まえなければならないことは沢山あって、それをお客さんに伝えるのが、店の役目だと最近強く思う。フィルムが現役でなくなったために、デジタル環境でフィルムカメラを使うために起こる問題も、いくつか顕在化している。”ネットで価格検索して、お値打ち品をGET”では、商品以外の物を得ることはなかなか難しく、フィルムカメラを本当に味わうことはできません。カメラの購入は、その店との付き合いの始まりだと思ってください。


スマホを置いて店に行こう。それがアナログホビーの正しい入り口になるはずです。
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  1. 2016/10/06(木) 15:07:49|
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