くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

ペンタコンシックスにまつわるカメラとの付き合い方 その2

前述のようにペンタコンシックスは東ドイツのカメラです。そのような出自故、西側諸国のカメラと比べてずっと安価です。しかし、それと同時に、東側工業製品としての危うさを抱えていることは、十分理解すべきです。
_DSC0102_20160825120051fe5.jpg


ごくごく簡単に表現すると、西側製品と比較して材質と加工精度が全く違います。硬い部材は小さくても強度が出せますが、そうするためにはより硬質な刃が必要で、且つ、精度の高い送り装置も必要になります。(話についてこれるかな?)工業製品は、こういった基礎的な加工技術水準を積み上げた上に高い性能を発揮するもので、これがしっかりしていなければ満足な性能は得られず、逆に、最終的な性能要求水準を引き上げるためには、基礎加工技術も底上げしなければなりません。西側と東側との格差はこうやって広がっていったのです。

西と東との中間で生まれたプラクチシックス(ペンタコンシックスと合わせてこれから”P6シリーズ”と呼称します。)は、ロシアのカメラ程ひどい物ではありませんが、西側諸国のカメラのような部品精度で作られたカメラではありません。更に、東のカメラの恐ろしいことは、製造ラインの管理が西とは異なり、かなりゆるーい制度で組み立てられています。はっきり言って、入っているはずのビスがなかったり、留めビスの頭がもげていたり、平面調整するための切削加工をしていなかったり、大量なワッシャーが入っていたり等々、偏移幅の広い製品です。また、前述の基本的な問題から、オイルが抜けると規定の動きをしなくなるため、定期的な注油が必要で、これを怠ると写真が撮れなくなります。従って、適切な整備を行わなければ安定して写真の撮れるカメラではないのです。

ここまで脅しても、快調な機体はいい仕事するのが罪作りなんだよね。
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  1. 2017/05/26(金) 16:06:08|
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