くらびぼー

修理屋家業の傍ら書き溜めた、クラッシクカメラの備忘録

安原製作所 回顧録

このブログを読みの方なら、誰もが知っているカメラの発端から終焉までを、
ご本人がつづった顛末記。

yasuhara book


京セラでコンタックスAXの開発技術者だった安原氏は、
その終了後ひょんなことから中国奥地の国営工場解くんで、
新型”旧タイプ”カメラの製造・販売を始める。
これだけのプロジェクトを、ご本人が書かれているように、
いろいろ幸運があったとは言え1人で切り盛りし、
カメラや業界に対する洞察も慧眼で、
且つ、自主映画製作でも実績を残されている。
予約待ち客への対応や二三首を傾げる点はあるが、
極めて優秀な人材だったのだと思う。
このような人が会社を去ってしまうところに、
京セラ(ヤシカ)に病理があると思う。

中国生産での実状は興味深いし、周囲の”マニア”の振る舞いは、
同じ業界で客対応する者として、大変参考になる。
カメラ・フィルム・デジカメについての考察には多々同感を覚えるが、
樹脂素材・シャッター形式に関する見解には氏に対して異論を持つ。
樹脂素材・電気式シャッターが金属・機械式シャッターに対して、
様々な面で優れているのは認めるが、この2点で問題になるのは、
何れも”継続性”なのだ。
最新の樹脂が金属と比してどれ程対劣化性・靱性を有するかは、
専門外なので判らないが、私の知る限りこの素材は長期間の内に、
必ず”割れ”を生ずる。
電気式シャッターは部品の供給が途絶えると修理不能になる。
ギア・カム・バネは人間の手と目で作れるが、
集積回路をそのように制作することは出来ないからだ。
記録媒体についてもこのような”継続性”に関する発想はあてはまる。
アナログレコードはオーディオ機器が無くても、竹串と紙コップで再生できるが、
磁気テープになったとたんに再生機無しには何も出来ない。
機械式フィルムカメラに対する根本的な志向は、
結局この”継続性”に依拠すると思うのだ。
勿論、全ての記録にそのような”継続性が必要かと言う疑問はあるだろう。
でも、そこから先は”ロマン”なんだよね・・・・。
僕の使い込んだカメラを息子や孫が引き継ぎ、
僕が撮った息子の写真の原板を曾孫が見る。
人だから望み、人だから実現出来ることだと思う。

もちろんそうなるためには、
フィルムが”継続”されなければならない。
これをお読みの方だけでも、
皆さん写真を撮りましょう。
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  1. 2008/01/25(金) 10:17:49|
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